GEN空間工房 代表 橋上純二氏

第2回 建築家 橋上純二氏インタビュー「人になじむ、街と住まい」を企業スローガンに、お客様本位の住まいづくり、街づくりに邁進する私たち高橋開発。そんな私たちの理念に共感し、お客様の想いをカタチにしていく頼れるパートナーが建築家の先生方です。各物件のプランニングや設計を手がける先生方を訪ね、住まいづくりへの想いなど幅広い話題について語っていただきます!

高橋:前回のお話の最後で、「手作り感覚」の大切さについてお話いただきましたが、それは家づくりにおいても大切な要素ですね。職人の手、自分の手でつくられた住まいという感覚があれば、所有感も増すでしょうし、より大切にしようとか、より長く住もうという気持ちも芽生えてきそうですね。

橋上:そうは言うものの、日本人って住まいに限らず、あらゆるものに「手間のかからないこと」「長い時間が経っても朽ち果てないこと」を求めているところがありますよね。作る側も使う側も、メンテナンス・フリーが前提なんですね。ところが、ヨーロッパなどでは日本とは逆に、修理やメンテナンスの習慣がしっかり浸透しているんですよ。住まいとは直接関係ないのですが、イタリアに行ったときに話をしていた男性なんて、おじいちゃんが履いていた靴を今でも履いているというんです。一見、ピカピカの靴なんですけど、1930年頃の靴だそうで......驚きましたね。革そのものが良いこともあるんでしょうけど、全く傷んでいる様子がないんです。収納や保管にも気を配っていて、底が減ってくると丁寧に補修をしているんだとか。イタリア人は、あらゆるものは人間が作って、人間が使っていくものだから、メンテナンスが必要だというのを無意識のうちに理解し、きちんと実行しているんですね。その考えがあるからこそ、住まいにおいても、自分の好きなように作り直したり、メンテナンスをしたりしながら長く付き合っていくんですよ。

高橋開発 高橋竜太氏

高橋:たしかに、日本人というのは意外と自分の手で何かを作り出そうとか、手入れをしようということに消極的な部分もあるような気がします。モノを末永く、大切に使うという方でも、手入れやメンテナンスは「プロに任せたほうが安心」という感じですし。

橋上:たとえば、日本では大理石などを外壁などに使おうとすると、「酸性雨で溶ける」という話もありますよね。でも、日本人がそんなことを心配するのは、イタリア人からすれば不思議なことだそうです。実際に、ミラノのドゥオモの屋根なんて全部大理石です。でも、それらが溶け出して、雨が漏ったなんて話は聞いたことがないと言うんですね。それは、大理石が経年劣化したときに、彼らがどう対処すれば良いかを経験で知っていて、しっかりと対処しているからです。ところが、日本人というのは、そういう意識が無い。最初からあらゆるリスクを回避しているんです。それが家造りにも少なからず影響していると思います。ちょっと変わったことをすれば、雨漏りがするんじゃないかとか、危ないから手すりを付けたほうが良いんじゃないかとか。とにかく、メンテナンス・フリーやリスク回避を真っ先に考えてしまう。ところが、イタリア人からすれば、どうせ付けるならキレイなもの、面白いものをという考え方なんですね。この発想の違いというのは大きいですよね。

高橋:利便性やメンテナンス性、経済性も大切ですが、そればかりを重視しても暮らしは楽しくないですよね。住まいというのは、長い時間を過ごす場所でもありますし、何より心地良く過ごせる場所であるべきですよね。

橋上氏のアトリエ風景

橋上:住宅リフォームに関するテレビ番組を見ていて思ったことがあるんです。あの手の番組に出てくる住宅って、想像を絶するほど不便な状態から、ガラッと極端に変わっていくでしょう?とんでもなく不便だった住まいが、リフォームによって使い勝手の良い住まいになるんですよね。しかし、それは不便な住宅を便利にして欲しいだけであって、デザインなどに関する要求なんて、していないと思うんですよね。これから住まいを購入される方の多くも、住んでいる部屋が狭いとか、駅や職場、学校が遠いとか、そういう現実的な問題で新しい家を買おうという方も多いと思います。でも、部屋が広いとか、駅が近いとか、支払いが安いとか、そういう現実的な問題だけで住まいを選ぶというのは少し残念な気もするんです。ですから、私たち建築家やデベロッパーさんも、「コンセプトが面白い」とか「こんな暮らしをしてみたい」という期待感を感じていただけるような住まいの提案をしていかないといけませんよね。

高橋:「お客様にとっての、本当に魅力的な住まいづくり」というのは、私たちにとって永遠のテーマですね。そのテーマを追求することは面白くもあり、大変なことでもありますが、先生が建築家になろうと考えたきっかけというのは?

橋上:もともと、モノづくりが好きだったこともあったので、建築関係の学校に進んだんですよ。学校を卒業してゼネコンの設計部に入ったのですが、いきなり建築現場に放り出されてしまって(笑)当初は現場に出るのがイヤで仕方なかったですけど、「建築の現場というのはこういうモノなんだ」というのが身に染みて分かりましたし、現場で働く人たちがとても魅力的に見えたんですよ。たまたまかもしれませんが、建築現場で働いている方がとてもユニークな方々でね。やっぱり、建築現場はある意味でとてもハードな仕事だと思うんですよ。その大変な場所に、色んな個性を持った人がいて、多くの人たちがモノづくりを一緒にやっているというのを目の当たりにして、建築って面白いなと。それと、普段は物凄く真面目そうな方がユニークな家に住みたがったり、その逆の場合もあったり。色んな人との関わりがあって、その人たちの色んな面を見ることができる仕事って、やっぱり楽しいですからね!

GEN空間工房 代表 橋上氏

今回は西洋と日本の家づくり・物づくりに対する考え方や発想の違い、さらには橋上先生が建築家になったきっかけなどを大いに語っていただきました。次回は、橋上先生の家づくりの手法などをメインにお話をお伺いします。

インタビュー

建築家 橋上順二氏 直撃インタビュー
建築家 橋上順二氏レオタウン枚方コムニヒルズの一邸一邸は、GEN空間工房の建築家・橋上純二先生により設計されています。

建築家インタビュー