第3回 建築家 橋上純二氏インタビュー「人になじむ、街と住まい」を企業スローガンに、お客様本位の住まいづくり、街づくりに邁進する私たち高橋開発。そんな私たちの理念に共感し、お客様の想いをカタチにしていく頼れるパートナーが建築家の先生方です。各物件のプランニングや設計を手がける先生方を訪ね、住まいづくりへの想いなど幅広い話題について語っていただきます!
高橋:一般の方々の間では、建築家の先生が住まいの設計をする際、一瞬のアイデアや閃きで勝負しているようなイメージがあるようです。実際に先生が設計をされる際は、どんなふうにコンセプトを固め、カタチにしていくのですか?
橋上:僕たちは決して芸術家ではありませんから、アイデアや閃きで勝負しているわけではないんですよ。「凄いアイデアが降りてきた!」なんて瞬間はまずありませんね。設計をしていく際には、頭の中でたくさんのケースをシミュレーションしていきますが、そのなかで、どれが使えるか、使えないかという選択を繰り返していくわけです。選択の基準は、まさにケース・バイ・ケース。その選択の積み重ねがアイデアとなり、一つの作品としてカタチになっていきます。
設計というのは、自分の中の経験やアイデアなどを取捨選択し、フィットさせていく作業なんです。斬新なアイデアが浮かんだとしても、全体の中にフィットしなければ意味がありません。「これだ!」というアイデアだけで家が造れるとすれば、その人はきっと、とんでもない天才だと思いますよ。
そうは言っても最初の段階では"感覚"も大切です。まずはスケッチのようなものを描いてみます。それで、少し時間を置いてから眺めてみます。そうやってアイデアや条件を整理していくことで、段々と骨格が固まってくるんです。最初は感覚的にボンヤリと見えていたカタチが、徐々にハッキリとした答えとして見えてくるんですね。最初の段階で時間を使うことになりますが、「なぜ、これが良いのか?」という理由を突き詰めていくんですね。そして、どういう材料で、どういう施工をしていけば、どうなっていくか......と具体的な流れをイメージしていきます。思うままにスケッチをして「これでどうだ!」みたいな作り方なんて、プロの流儀ではないし、そんな風に作られた建物なんて喜んでもらえるはずがありませんからね。
高橋:プライベートにも関わってくることかとも思いますが、先生がライフスタイルで大切にされていることはどんなことなのでしょうか?
橋上:ライフスタイルということと繋がるかどうかは微妙ですが、異業種の人たちと積極的に話をするように努めています。無理にそうしようというのではなくて、それが好きだからこそ、進んでやっているんですけどね。同じ建築家同士で話しをしていても、そんなに実のある話にはならないんです。プロ同士ですから、お互いの作品に対して議論するわけでもありませんし。ところが、異業種の方とお話をするときは、かなり深いところまでお話をしてますよ。まったく関係の無い業種の方であるほど面白いですね。想像もつかないような業界・業種の方々とお話をすると、素直に、心を開いてお話を伺うことができますからね。そういう出会いは、自分の心のどこかを刺激してくれるんですよ。僕は結構ヘソ曲がりなところもあるんですけど、異業種の方とは、もっともっとお話をしていきたいなと思います。
実はプライベートで声楽をやっていて、クラシックの合唱団の一員として唄わせてもらっています。声楽の先生がいらっしゃるのですが、先生も僕に対して音楽の話ばかりをすることはありません。じゃあ、どうやって声楽を習っているかというと、僕のほうから何がしたいのか、何が問題になっているのかをしっかり考えて、そこに対する具体的なアドバイスを受けるようにしているんです。自分の学びたいことが明確であれば、先生はプロとして、色んなヒントを投げてくれるわけですよ。「こうやってみたらどう?」「こんな考え方もあるよ!」という感じでね。それは建築でも同じことなんですよね。「格好良いものを作ってください」と漠然と言われても、どうしようもありません。どんなに些細なことでも良いので、住まいに対する想いやイメージをどんどん伝えて欲しいんです。そういうのは、建築や音楽に限らず、どこでも同じなんだなと思いますね。
高橋:たくさんの方々と幅広い話題についてお話をされるということですが、私たちデベロッパーの担当者や、住まいづくりを依頼する施主さんともお話をされますよね。その場合も、すぐに家の話をされることはないのでしょうか?
橋上:そうですね。いきなり「じゃ、どんな家にしましょうか?」なんて話から入ることはありませんね。そもそも、施主さんがどんな方なのかも理解できてないうちに、「このリビングがですね......」なんて話をしても意味が無いと思うのです。あと、家づくりというのは、お互いの気が合わないと良い物はできないんですよ。色々とお話をしていくなかで、お互いの意見が一致して、夢が膨らんで、カタチになるというのが面白いんですよね。
ですから、最初は趣味の話とか、好きな食べ物とか、そういう身近なところから施主さんのことを理解していきます。住宅の話をするのは最後です。プランを提示して、施主さんが「ここで何をしたい」という話が出てくるのが理想的ですね。「料理が好きだから、こういうキッチンにしたい」というお話になれば、「ここにもう一つコンロを付けましょう」なんていう話も出てきて、より理想的な住まいに近づく。最初から「ここはリビングで、ここが寝室で、ここがバスルームで......」そんな固い話から入っても面白くないですし、住む方の想いがこもった住宅なんてできませんからね。
高橋:最近はスタイリッシュ、モダン、シンプルなどといった言葉で語られる住まいが多くなっていますね。それも"オシャレ"な住まい・暮らしを実現させたいと願うお客様が増えているからだと思いますが、先生にとってのオシャレとはどんなことでしょうか?
橋上:ファッションデザイナーの知人がいるんですが、彼はいたって"普通"なんです。ドレスアップをする必要がある時は別ですが、普段から飾り立てるようなことはしていませんね。ただし、目立たないところに、オシャレを感じさせる工夫をしているんですよ。アクセントになる小物とか、色とかを上手く採り入れているんです。本物のオシャレって、そういうことだと思うんですよね。ちょっとした"こだわり"みたいなものを、さりげなく楽しむということでしょうね。オシャレって、見た目だけの問題ではなくて、選ぶ言葉や言い回し、ちょっとした仕草というのもポイントですよね。別の知人なのですが、彼は物凄くゆったりとした話し方や身のこなしがサマになっていて、オシャレを感じさせるんですよ。彼の発する「それ、面白いなぁ」という何でもない一言が、深く考えた後に発せられた言葉のように感じられたりとか(笑)そんな些細なところから、オシャレを感じることもありますね。住まいにおいてもそれは同じだと思います。住む方のこだわりや個性をデザインのどこかに反映させたり、見た目ではなく、ライフスタイルにマッチした空間づくりに気を遣うといったことで、とてもオシャレな住まいになると思いますよ。


レオタウン枚方コムニヒルズの一邸一邸は、GEN空間工房の建築家・橋上純二先生により設計されています。

